中電HPより転載 |
||||||
2011年7月15日 中電は「主復水器細管破損事象に係わる原因と対策について」と題した発表を当社HPに掲載した。相変わらず、事故ではなく事象と言う単語を使っている。 原発では事故は起きないとの高姿勢の表れであろう。 上図の再循環配管のエンドキャップが図の左からの水圧で溶接部からはがれて飛び出し、 熱交換細管に当たり、損傷に至った。 原因は溶接のミスである。図の溶接部に溝が発生しやすい溶接を採用した。 第2にエンドキャップの厚みが不足(12mm)して応力が増加する。設計ミスだ! (改良型原子炉がの欠陥かもしれませんね) 第3にポンプの出口の振動とこの管を流れる水の振動とが一致して、圧力が3倍まで変動した。 対策:図のようにエンドキャップの厚みを25mmにし、溶接部を図のような構造にした。
主復水器で同様の溶接部は表の分母数であり、分子の数は3つの要因が重なると思われる箇所で、今後この分子の数、合計33カ所を直すようである。 細管破損についてはエンドキャップが飛び出した圧力は36m/s、細管の破断は31m/sで起こることが確認された。 |
原子炉や関連施設は、十分な耐震性によって設計施工が行われているはずである。 しかし、実際は事故が起きてみないと、その欠陥がわからないとは実にいい加減な装置であることを証明してくれた。 新品時には問題がなくても、経年変化によって思わぬ所に損傷が発生するものだ。 定期検査では見抜けない場所であり、事故によっては過酷事故につながる。 溶接に設計ミスがあるならば、合計425カ所ほどすべてを修繕すべきではないか。 津波によって吸水口から入り込んでくる水圧を計算してあるのだろうか。 管が細くなればそれだけ圧は高くなる。細管が破損し、原子炉内に大量の海水が 入り込むことは十分考えられるのであり、冷却系は地震津波で作動しなくなる可能性は 非常高いことを中電はなんら意識していないのである。(勇) |