中電津波対策
中電HPより転載
中電は2011年7月22日 津波対策を公表した。
(1)防波壁の高さを18mとする。(図の@)
福島第一の遡上高は+15mであった。
浜岡の予想遡上高は+8mである。
マグニチュード9程度の地震で津波の高さは+10mと予想
(2)堤防および敷地東西盛り土図Aを+18〜20mとする。
(3) 海水取り込むポンプ図Bの周りに+15mの壁を設置
(4) 放水ピット図Cの開口部にふたをする。
<津波対策にならない。>
敷地内に海水を出来るだけ入れない対策であるが、問題点はある。
1,防波壁の高さを何十mにしても無駄である。(想定外はいくらでも考えられる。)
2,防波壁の構造が津波に耐えられるか? 実証が得られていない。
3,海と敷地は取水槽を介してつながっている。津波は取水槽より高圧で吹き出し、
防波壁の外側と同じ水面となる。上図はその事を否定しておらず、さらに津波
遡上高を低く見積もっている。
4,海水取り込みポンプの防水壁は敷地面より+15mではない。標準海水面から+15m
であって、敷地内への浸水によってポンプが機能しなくなることは十分考えられる。
取水槽からの海水は高圧で吹き上げられるため、5mほどの壁は乗り越えられる。
中電は浸水対策をいくつか挙げている。
(1) 緊急時海水取水ポンプEWSの設置(図@)
(2) 建屋内への浸水防止対策(ドア、通気口、地下配管ダクト、壁貫通部、外壁)図B〜F
(3) 屋内からの排水ポンプ教化(図G)
(4) 屋内機器への浸水防御対策(図HI)
(5) 貯水槽への異物混入防止ネット(図A)
<対策が遅い>
事故が起きない限り、対策を施さない体質がここにも見られる。
貯水槽への砂や漂流物の流入は当初から考えられていたが、中電はその指摘を無視し
やっとここに来ての対策である。
取水槽へのネットは図では一部だけであり。本来表面全体を覆う必要がある。
この図では不十分と言える。問題は砂の混入だ。防波壁の意味はこの砂の流入を防ぐ意味だが、果たして壁を乗り越える波に効果があるかは疑問である。
図EWSの設置は当然のことであり、このページの上でも指摘したが、RCWSは機能しなくなると
考えるのが当然なのだ。
問題はこれらポンプの電源だ!電源が喪失した場合はどうなるのか?
原発敷地内にある重要な設備は図以外にもたくさんある。それらへの対策はどうなって
いるのか不明である。
一番重要なことは取水槽に海水が供給出来るかだ!
取水口の破壊、取水トンエンルの崩落、流氷物の詰まり等の対策が全く無いのだ。
さらに、タービン建屋への浸水は十分考えられ、その海水は原子炉に入り込むことが、
今回の5号機事故で十分証明されたのである。(勇)